活動紹介

●学生ボランティア研修会

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▼平成27年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道~中部地方)開催

少年警察ボランティアに参加する意義 ~大学生として、今、何ができるか~

平成27年9月9日、東京:千代田区のグランドアーク半蔵門において北海道地方から中部地方の少年警察学生ボランティアを集めた全国少年警察学生ボランティア研修会を開催しました。

この研修会は少年警察ボランティアの裾野拡大施策の一環として学生・青年層の拡大と定着化を図るため、東日本地区と西日本地区に分け、各年で交互に開かれています。

8月末現在、全国で2,826人を超える少年警察ボランティアの大学生が、各地の青少年の健全育成、立ち直り支援活動等の現場で活躍しています。

この日の研修会には、24都道県の大学院生を含め68大学の学生ボランティア106人の他、大学教職員や県警職員など29人そして、福岡県から特別参加の事務局員1名、学生4名など総勢150名が参加し、各都道県で行っている活動について意見交換や情報共有を図りました。

冒頭、主催者である全少協の山田晋作理事長と警察庁生活安全局小西康弘少年課長が挨拶した後、栃木県警察本部少年課の八木尚子氏が、「少年の健全育成 ~明日に繋げていくために~」と題して基調講演を行いました。

また、実際の大学生ボランティア6人をパネリストにしたパネルディスカッションも実施しました。専修大学人間科学部・村松励教授をコーディネーターに、北海道、秋田、群馬、長野、富山、石川県を代表する大学生ボランティアが壇上で「少年警察ボランティアに参加する意義 ~大学生として、今、何ができるか~」をテーマに、意見を発表しました。第2部ではこれを踏まえてパネリストたちはそれぞれ参加の動機や日頃の活動などを熱心に語り、会場との質疑応答でも活発な討議が展開されました。

参加した県から、「少年たちとふれあい、今まで経験したことのない多くのことを学ぶことが出来た」との意見が寄せられ、また、参加学生からも「学習支援していた少年が高校に合格し感謝の手紙をもらった」などと有意義な研修であったとの反応が当協会に寄せられています。

パネリスト(敬称略)
東海大学生物学部2年生(北海道) 佐藤加奈子
ノースアジア大学法学部4年生(秋田県) 小林 来世
群馬県立女子大学文学部3年生(群馬県) 富沢 梨香
信州大学経済学部4年生(長野県) 三澤 裕也
高岡法科大学法学部4年生(富山県) 稲土 裕希
金沢星陵大学人間科学部3年生(石川県) 飯利 実怜

この研修会の内容についてまとめた報告書は、下記からダウンロードできますので各種研修会等で活用して下さい。

[PDF]研修会報告書のダウンロード(PDF 20.5MB)

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▼平成26年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(近畿~九州地方)開催

少年警察ボランティアに参加する意義 ~大学生として、今、何ができるか~

平成26年9月5日、福岡県福岡市の博多サンヒルズホテルにおいて近畿地方から九州地方の少年警察学生ボランティアを集めた全国少年警察学生ボランティア研修会を開催しました。

8月末現在、全国で3,833人を超える少年警察ボランティアの大学生が、各地の青少年の健全育成、立ち直り支援活動等の現場で活躍しています。

この日の研修会には、23府県の大学院生を含め49大学の学生ボランティア89人の他、大学教職員や県警職員など143人が参加し、各府県で行っている活動について意見交換や情報共有を図りました。

冒頭、主催者である全少協の山田晋作理事長と警察庁生活安全局大塚尚少年課長が挨拶した後、福岡県警察本部少年課の堀井智帆氏と元継続補導少年3名が、「更生した少年による『非行少年の本音と立ち直りに必要なこと』」と題してトークライブを行いました。

また、実際の大学生ボランティア6人をパネリストにしたパネルディスカッションも実施しました。関西大学大学院・梶谷健二教授をコーディネーターに、兵庫、和歌山、広島、徳島、福岡、沖縄県を代表する大学生ボランティアが壇上で「少年警察ボランティアに参加する意義 ~ 大学生として、今、何ができるか ~」をテーマに、意見を発表しました。パネリストたちはそれぞれ参加の動機や日頃の活動などを熱心に語り、会場との質疑応答でも活発な討議が展開されました。

参加した県から、「大したことも出来ない自分でも子どものために少しでも役に立つことに感謝した」との意見が寄せられ、また、参加学生からも「ボランティアの活動が将来役立つことを知った」などと有意義な研修であったとの反応が当協会に寄せられています。

本事業は、高齢化の進む少年警察ボランティアの後継者として人材の多様化を目指し、裾野拡大施策の一つとして開催を実施しました。

パネリスト(敬称略)
姫路獨協大学法学部法律学科4回生(兵庫県) 赤西  紘典
近畿大学生物理工学部食品安全工学科4回生(和歌山県) 野田  麻友
福山大学人間文化学部心理学科3年生(広島県) 石井 寿美礼
鳴門教育大学大学院臨床心理士養成コース2年生(徳島県) 髙橋  昭人
福岡大学法学部法律学科4年生(福岡県) 国原  靖幸
沖縄国際大学総合文化学部人間福祉学科2年次(沖縄県) 佐久本 剛匡

研修会の内容については、報告書にまとめましたが、開催当日、アンケート調査を実施したところ、今回参加出来なかった学生ボランティアにも知ってもらうため、全少協のホームページに報告書を掲載して欲しいとの要望意見が多数寄せられました。報告書は、下記からダウンロードできますので各種研修会等で活用して下さい。

[PDF]研修会報告書のダウンロード(PDF 14.4MB)

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▼平成25年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道~中部地方)開催

大学生として、今、何ができるか

平成25年9月4日、東京都千代田区のホテルグランドアーク半蔵門において北海道地方から中部地方の少年警察学生ボランティアを集めた全国少年警察学生ボランティア研修会を開催しました。

8月末現在、全国で3,400人を超える少年警察ボランティアの大学生が、各地の青少年の健全育成、立ち直り支援活動等の現場で活躍しています。

この日の研修会には、24都道県の大学院生を含め58大学の学生ボランティア98人の他、大学教職員や県警職員など140人が参加しました。

冒頭、主催者である全少協の山田晋作理事長と警察庁生活安全局藤村博之少年課長が挨拶した後、神奈川県警察本部少年課の西谷晴美課長補佐が「少年のために今、何をすべきか」と題して講演をしました。

続けてのパネルディスカッションでは、文化学園大学現代文化学部・野口京子教授をコーディネーターに、北海道、岩手、福島、埼玉、新潟、愛知県を代表する大学生ボランティア6名が壇上で「少年警察ボランティアに参加する意義~大学生として、今、何ができるか」をテーマに、意見を発表しました。

パネリストたちはそれぞれ参加の動機や日頃の活動などを熱心に語り、会場との質疑応答でも活発な討議が展開されました。

パネリスト(敬称略)
札幌国際大学スポーツ人間学部4年生(北海道) 杉沢 知彦
岩手大学人文社会科学部4年生(岩手県) 小野 夏実
日本大学工学部2年生(福島県) 伊東賢太郞
日本大学法学部3年生(埼玉県) 砂塚 絵梨
新潟医療福祉大学社会福祉学部4年生(新潟県) 古木 綾乃
愛知教育大学教育学部4年生(愛知県) 田中 裕理
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▼平成24年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(近畿~九州地方)開催

活動の経験やこれからの豊富を語り合う

平成24年9月7日、福岡市博多区の博多サンヒルズホテルにおいて、全国少年警察学生ボランティア研修会(近畿~九州地方)が開催されました。

8月末現在、全国で1、500人を超える少年警察ボランティアの大学生が、各地の青少年の健全育成、立ち直り支援活動等の現場で活躍しています。この日の研修会には、学生ボランティア79人の他、大学教員や県警職員など126名が参加しました。

冒頭、主催者である全少協の山田晋作理事長と警察庁生活安全局千野少年課長が挨拶した後、福岡県警察本部少年課の大月祥子少年育成指導官が「少年の立ち直りを信じて~少年サポートセンターの現場から~」と題して講演しました。

続けてのパネルディスカッションでは、関西大学大学院・梶谷健二教授をコーディネーターに、各地から選ばれた大学生ボランティア6名が壇上で、「少年警察ボランティアに参加する意義~大学生として、今、何ができるか~」をテーマに、意見を発表しました。「自分でも子どものために役に立つことに感謝した」「普通ではなかなかできない経験の多くが、自分の成長につながった」などと学生ボランティアの利点を挙げながら、それぞれのボランティア経験談やこれからの豊富を語ってくれました。

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▼平成23年度

全国少年警察学生ボランティア研修会を開催

「大学生として、今、何ができるか」

全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道~中部地方)が平成23年9月7日(木)、グランドアーク半蔵門(東京・千代田区)において開催されました。

少年問題に理解と熱意を持って取り組んでいる少年警察ボランティアの大学生は、8月末現在、全国で1,339人に上り、今後ますます多くなっていくと期待されています。この日の研修会には、北海道から中部地方までの24都道県から59大学の学生(大学院生含む)と教職員計100人、各府県警察関係職員35人の総計135人が出席しました。

冒頭で、主催者である全少協の山田晋作理事長と来賓の警察庁生活安全局の千野啓太郎課長があいさつした後、埼玉県警察本部生活安全部少年課の芹田卓身課長補佐が「子どもの話に耳を傾けよう」と題して講話。続いて警察庁生活安全局少年課の新家勝昭課長補佐が「非行少年を生まない社会づくりの推進」と題して講話を行ないました。

また、パネルディスカッションでは、藤川洋子・京都ノートルダムノートルダム女子大学教授をコーディネーターに、大学生6人が「少年警察ボランティアに参加する意義~大学生として、今、何ができるか~」をテーマにパネルディスカッションを行ないました。

パネリストたちはそれぞれ参加の動機や日頃の活動などを熱心に語り、会場との質疑応答でも活発な討議が展開されました。


▼平成22年度

全国少年警察学生ボランティア研修会

「少年警察ボランティアに参加する意義」

全国少年警察学生ボランティア研修会(近畿~九州地方)が平成22年9月10日(金)、福岡県福岡市の博多サンヒルズホテルにおいて、開催されました。

少年問題に理解と熱意を持って取り組んでいる少年警察ボランティアの大学生は、8月末現在、全国で1、202人に上り、今後ますます多くなっていくと期待されています。この日の研修会には、近畿から九州・沖縄までの23府県から48大学の学生(大学院生含む)と教職員計109人、各府県警察関係職員38人の総計147人が出席しました。

冒頭で、主催者である全少協・山田晋作理事長と来賓の警察庁生活安全局の早川治少年課長があいさつした後、福岡県警察本部少年課少年健全育成室の金田律子・少年育成指導官が「本気で向き合う ともに歩む」と題した基調講演を行いました。

次いで、梶谷健二・関西大学大学院心理学研究科客員教授をコーディネーターに、参加大学生6人が「少年警察ボランティアに参加する意義」をテーマにパパネルディスカッションを行ないました。

パネリストたちは参加の動機や日頃の活動などを熱心に語り、会場との質疑応答でも活発な討議が展開されました。

パネリスト(敬称略)
龍谷大学理工学部四年(滋賀県)堀 一将
和歌山大学教育学部四年(和歌山県)福井 早織
安田女子大学文学部四年(広島県)向井 彩
九州産業大学国際文化学部四年(福岡県)天野 康成
活水女子大学文学部四年(長崎県)村岡 光
沖縄国際大学法学部三年(沖縄県)金城 菜美

なお、研修内容の詳細に関しましては、『みちびき』120号(平成22年10月発行)に掲載されています。


▼平成21年度

全国少年警察学生ボランティア研修会

「大学生として、今、何ができるか」

パネルディスカッション平成21年9月11日(金)、東京半蔵門のグランドアーク半蔵門で、全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道~中部地方)が開催され、43大学の学生・教職員70名、警察関係者31名、少協会長など、125名が参加しました。

主催者である全少協・山田晋作理事長と、後援にあたる警察庁生活安全局・中尾克彦少年課長から挨拶があり、続いて中央大学文学部・矢島正見教授の基調講演が行われました。矢島教授は、「公(おおやけ)と私(わたくし)の間にあって、公を助け、私の自信にもつながる共(きょう)という存在、これがボランティアです」と述べるなど、わかりやすく、「大学生として少年警察ボランティアに参加する意義」を説いて好評でした。

続いて矢島教授をコーディネーターに、大学生ボランティア代表によるパネルディスカッション「大学生として、今、何ができるか」が行われました。パネリスト意見発表に続いて、会場の参加者も交えた盛んな討議が行われました。

後援にあたる社会安全研究財団の上田正文専務理事や矢島教授など「大人の参加者」がメモを取りながら「学生の話」に耳を傾ける姿勢が印象的な研修会でした。

パネリスト(敬称略)
岩手県立大学(岩手県)千葉詩織
石巻専修大学(宮城県)高橋洋平
早稲田大学大学院(東京都)大森 拓
尚美学園大学(埼玉県)田口恵太
横浜国立大学大学院(神奈川県)郡司菜津美
東海学院大学大学院(岐阜県)根本奈保子

なお、研修内容の詳細に関しましては、『みちびき』116号(平成21年10月発行)に掲載されています。


▼平成20年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(近畿〜九州地方)

『困っている子ども』への支援を考える

地域学生ボランティア研修会

平成20年9月10日(水)、福岡県の博多サンヒルズホテルで、全国少年警察学生ボランティア研修会が開催されました。

社団法人全国少年警察ボランティア協会(全少協)の主催、警察庁、財団法人社会安全研究財団(社安研)後援によるこの研修会は、少年警察ボランティアの裾野拡大施策の一環として実施するもので、近畿から九州地方まで48大学から大学生・教職員94名、警察関係職員35名が参加しました。

全少協の山田晋作理事長ならびに警察庁生活安全局少年課・小澤孝文理事官から挨拶があり、「研修の成果を活動に活かすよう」大学生ボランティアへの期待を表明しました。

続いて、北九州少年サポートセンターの安永智美係長が講演を行いました。

◆講演
「問題行動の『根っこ』」〜『困っている子ども』への支援を考える〜」(要旨)
福岡県警察本部生活安全部少年課、北九州少年サポートセンター安永智美係長
攻めと行動連携のサポセン

安永と申します。私たち少年サポートセンターは、「サポレンジャー」と呼ばれています。私はレッド、隊長です。テレビのヒーロー物みたいな名前ですが、子どもとうまく接する工夫の一つです。ちなみに、仲間の堀治美はブルーレンジャーといいます。

さて、「サポセン」、北九州少年サポートセンターには2つの特徴があります。1つは機動力、つまり攻めの活動です。もう1つは他の機関との行動連携です。

「攻めの活動」とは、子どものもとへこちらから出かけていくものです。しかし、返ってくるのは拒否の言葉です。中学二年生のシンタロウもそうでした。

「二度とかけてくんなよ、ばばぁ!」

その彼から、電話があったのは半年後でした。

「何かあったちゃね。どうしたん?」

聞いてみると、「ひね」つまり福岡でいう「警察」が令状を持って来た。こわくて自分の部屋の布団の中でブルブル震えているというのです。

「おれ、どうしたらいいん?」

そういう彼を2時間説得しました。

「おばちゃんに電話してきたちゅうことは、わかっとうやん。このままじゃいけんて。逃げたらいけん。逃げたらもう一個、重い罪が増えるよ。やっと来たんだよ。チャンス到来。一緒に行ってやるけん」

彼は変わる勇気がほしかったのです。そして、鑑別所行きから逃がしてくれる連中ではなく私に電話をしてきたのです。

シンタロウのことでわかるように、悪態は子どもたちが私たちを試すものです。ですから、私たちはいったん出した手を引っ込めません。いつか子どもは手を握り返してくれるからです。

攻めといえば、講演もあります。乳幼児を持つ親を対象とした講演では、小さな頃から愛情を注ぐ大切さを訴え、子どもを対象とした講演では、セックス、薬物、暴力のリスクを説明します。子どもたちは講演が終わると私たちのもとへ寄ってきます。ヤンキー風の子、一見まじめそうだけどいじめをしている子、いじめられている子、そういう順番でやってきます。講演は「心の揺さぶり」です。心の底に深く沈んだものは揺さぶらないと浮き上がってこない。そう思っています。

もう一つ。行動連携です。学校、児童相談所、教育委員会、医療機関、司法機関と一緒に動きます。何かあるときにサポートしあう関係を築くには時間がかかりましたが、たいへん心強いです。

根っこの話1・子どもの怒りを侮るな

根っこの話ということで、絵を見ていただきましょう。1枚目は中学一年生の男子の描いた絵です。この子の両親は仕事やPTA活動でいつも不在。彼は、子どもを立派に育てねばならないという気負いからいつも怒った顔をしている母親を殺す妄想に取りつかれていました。絵にはそういう心情が表れています。

彼はバタフライナイフを持ち、ライターの火でコンビニの商品に火をつけ、ハムスターを27匹も殺していました。これは究極のサインです。怒りや寂しさや恐れ、凍える心の表れです。

「消えてほしいっちゃ」

そうつぶやいて母親に憎しみを向ける彼には医師が必要だと思いました。

そのことを告げると父親は烈火のごとく怒りましたが、無残に殺されたハムスターを見せたら言葉を失っていました。後にこの父親は変わりました。彼と一緒に過ごすようになったのです。

母親にも働きかけました。「トゲトゲ言葉は禁止。ふんわり言葉を使ってね」。それを実践すると彼は変わっていきました。

「子どもの怒りを侮るとその子の人格を歪める」と思った事例です。

根っこの話2・泣けない女の子

ぽろぽろ涙を流す女の子の絵。しかし、それを描いた中学三年生の女子は泣けない子でした。リストカットや薬物使用、薬を買うための売春行為と、自虐行為を繰り返していました。

彼女の両親は離婚し、父親は新しい家族とともに、彼女のすぐ隣の部屋に住んでいます。彼女は祖母の悲しい顔や父親の困った顔を見るのがいやで不満を口に出せませんでした。

「なぜ私だけ別なのか。寂しいよ…」

泣けない彼女もブルーレンジャー・堀の前では泣きながら話します。「子どもの悲しみは自傷行為の根っこになる」そう思った事例です。

根っこの話3・心が折れた子どもたち

6人を強姦したあげく叩きのめした凶悪犯、18歳の少年に会いにいきました。少年を怖いと思ったことはないですが、彼だけは怖かった。それでも2か月くらい通ったらこう言われました。

「しつこいな。よし、お前なら会ってやる。ただ一つ約束をしてほしい。俺の前でお母さんの悪口を絶対に言うな」

彼は小さな頃から母親に「水攻めの刑(毎日風呂に沈める)」として虐待されていました。それでも彼は母親が好きでした。DV(伴侶に暴力を振るう)である彼の父親への憎しみが自分に向けられたことを彼は理解していました。

「あいつ(父親)の血は半分流れている。でも、半分は俺のことを好きになってほしい」

そう言う彼の言葉を母親に伝えましたが、拒否されました。でも私は彼に嘘をつきました。

「半分なんかじゃない。全部好きだよ。待ってるよって、お母さん言ってたよ」

彼の目からきれいなものが流れました。私はこの嘘を本当にするためにこれからも母親に関わっていきます。虐待という根っこは「子どもの心が折れるほどの痛みになる」という例でした。

心に愛を注ぐ

小学三年生のミユ君という万引きを繰り返す子がいました。母親がサポセンに相談してきました。「叩いて叱っているが、このままでは殺してしまうかもしれない。捕まえてくれ」と。それで、「お母さん一回思い切り泣いてごらん…。『悲しいよ。でも、こんなことするあんたも好きだよ』って抱きしめてごらん」と言いました。一つ叱ったら、心に愛情を注いであげるということですね。

やがて、ミユ君の万引きはなくなりました。小学二年生の頃、父親が事故で亡くなりました。ミユ君は泣き暮らす母親を慰め、励ましたせいで、自分が悲しみを出し切れなかった。万引きはその代償行為だったんですね。

いじめほど悲しいものはない

「いじめほど悲しいものはない」という講演をしたことがあります。そこで、いじめで亡くなった子の母親の手紙を紹介しました。

「いじめに苦しんでいる子どもに伝えたい。死なないで。あなたが死んだら悲しむ人がいること、あなたを守れる人がいることを忘れないで」

すると、いじめの加害者の子が泣きます。むしろ「(いじめなんかして)この卑怯者が」という責め方をしたほうがいじめは激しくなります。皆さん、加害者もきっと苦しんでいるのだと思って手を貸してあげてください。

三つの苦行「許す」「信じる」「待つ」

問題を抱えている子どもと一緒に歩むとき、避けて通れない三つの苦行があります。「許す」「信じる」「待つ」です。

泥棒一家がいました。17歳を頭に下は3歳まで6人の子どもがみんな盗みをします。両親も捕まりました。そんな子どもたちの力になろうとしても心を開くわけがありません。

「このくそひねばばぁが。二度と来んな。とうちゃん返せ! 母さん返せ!」

8歳くらいの子にこう言われ、万策尽きてしまうと投げ出したくなります。

しかし、ふと思いついて、自分の息子たちのクワガタムシを少年たちに持っていったら、やっと心を開いて私を「クワガタムシのおばちゃん」と呼ぶようになりました。私は「子どもたちの笑顔を見たい」というその一心だったのです。

最後に、自傷行為をした子でしたが、こんな絵が描けるようになりました。そこに詩が書いてあるので堀・ブルーレンジャーに読んでもらいます。

「誰もがみんな、自分だけの秘密の木を持っていて、その木がみんなの力になってくれる。つらいことがあれば秘密の木でたくさん泣いて、楽しいときは秘密の木で笑う。疲れたときは秘密の木でゆっくり眠る。そうしてたくさん、たくさん生きるために必要なパワーをもらうんだ」

「秘密の木は居場所だよ。サポセンだよ」と言って子どもたちがプレゼントしてくれた絵です。子どもたちにとっての秘密の木である家庭が機能しないときは、皆さんが子どもたちの「秘密の木」になってください。

◆パネルディスカッション・発表(要旨)
地域学生ボランティア研修会

講演に続いて、梶谷健二氏(関西大学大学院社会学研究科講師、同大学心理相談室相談員兼スーパーバイザー、大阪府臨床心理士会会長、全少協理事)をコーディネーターとするパネルディスカッションが開かれた。まずパネリストの大学生6人から発表がありました。

奈良大学(奈良県)阪上洋平

私は以前からボランティア活動に興味があり、弓道部の先輩を通じて、平城小学校の見回りボランティアを知り参加しています。この運動は大学から表彰金をいただき、それでメンバーのベストや腕章、光る警棒、笛などを買うことができました。教師になるという夢を温め、子どもたちが事件、事故に遭わないように、地域の方々と連携しながら活動を続けようと思います。

川崎医療福祉大学(岡山県)中井邦彦

岡山では県内3か所のサポートセンターを拠点に大学生100名が活動しています。街頭補導活動や宿泊体験型少年健全育成支援事業(キャンプなど)のほか、さらに居場所づくりとしてサポセンルームを設けています。ここで「サポセンの日」として料理教室などイベントを行います。一緒に遊んでいると、子どもたちは街頭とは全然違う表情を見せてくれます。ただ、活動はその場限りになってしまいがちです。それと、学生主体で企画ができたらと思います。来年の春から警察官として働きますので、こうした経験を活かしていきたいと思っています。

福山大学大学院(広島県)濱本有希

所属していた犯罪心理学研究室で声をかけられて活動を始めました。広島県は学生も少年補導協助員として委嘱されます。特に力を入れたのが防犯教室で、小学校で地域安全マップ作成を指導しました。子どもたちに「ユッキー」と呼ばれ、頼りにされるという初めての経験によって私の自尊感情(自分のことが好き)や自己効力感(自分にはできる)が高まり、内気だったのに人前でも話せるようになりました。誰かの役に立ちたいと始めたものが自分のためになっているのです。多くの学生や後輩たちが初めの一歩を踏み出せるようにこれからも関わっていきます。

九州産業大学(福岡県)白土和美

私は小学生の頃からテレビドラマの女性刑事に憧れていました。大学では臨床心理学を学び、卒論は「性犯罪被害の実態から今後の犯罪現象と防止に向けて」をテーマにしており、性犯罪を防ぐ刑事になりたいと思っています。福岡県の学生ボランティアは今年の春に始まり、参加7大学、75名のうち52名が心理学を学んでいます。少年警察学生サポーターという名称から帽子、腕章のデザインまで自分たちで手がけました。街頭補導・立ち直り支援・広報啓発活動を行い、少年と近い目線で話せることがメリットと感じました。この活動が大学で単位として認められることも励みになりました。

長崎純心大学(長崎県)岡本千夏

中学生が幼児を突き落とす事件などが起こり、長崎が治安の悪い街として報じられたのをきっかけに少年の実態を知ろうと活動に参加しました。なかでは学習支援に力を入れました。メンバーは少年の携帯に応援メッセージや目覚ましメール、世間話などを送っています。少年たちは敏感でなかなか信頼を得られませんが、県警の方の「私たちは何があっても味方だからね」という言葉に込められた子どもたちへの熱い思い、その思いを表現する大切さを見習っていきたいです。

沖縄国際大学(沖縄県)新 万治

私たちは、沖縄の伝統文化や芸能を活かしたオリジナルの舞台を制作することで、子どもを支える「ティーダ(太陽)プロジェクトを始めました。

子どもたちは最初バラバラでしたが、1か月稽古を続けると笑顔が見られるようになり、挨拶も、時間の約束を守ることもできるようになりました。その練習の成果を見た親や先生はうれしくて涙を流しました。自信を持ち、成長した子どもたちはまるで別人だったからです。

◆質疑応答・コーディネーターのまとめ(要旨)

岡本 短期で少年たちを集めると、少年同士がなかなか打ち解けてくれないときがあります。仲良くなれるコツがあったら教えてください。

阪上 1人で行うアイスブレイク(氷を溶かすように気持ちをほぐす遊び)から始めて、グループでのレクリエーションゲーム、何かを作ったりすると短期でも仲良くなれますよ。

古賀 佐賀大学四年の古賀佐智恵です。佐賀では、大学生の個人メールアドレスは少年には教えない方針です。岡本さん、長崎県では、自分のメールアドレスを教えているのですか。それとも、ボランティア専用のものを使っているのですか。

岡本 少年たちとは最初の活動の日に同意して(個人の)メールアドレスを交換します。「お互いに他人にはアドレスを教えない」という約束をし、時間帯を決めてメールしています。少年から要求してくるようなこと、アドレスをばらまかれるようなこともなく、やっと返信が来るようなスタンスが多いです。個人情報の問題もありますが、活動に役立っていると思います。

梶谷 これは「お互いを守る」という意味で非常に大事な対話でしたね。

 私は佐賀県でルピナス(ノボリフジの花言葉で「仲間」を意味する)という名称で活動しています。大学生だからこそできることにどんなことがあるのか、みなさんにお聞きしたいのですが。

富永(全少協事務局長) 学習支援やスポーツ指導というのは大学生ならではですね。それと、学校の先生には言えそうもない悩みを聞いてあげて、必要なら学校や警察とも協力して救ってあげるということもできるでしょうね。

石原 沖縄県教育委員会総合青少年課から参加しております。私も中学の現場にいましたから大学生の学習支援はありがたかったですね。

ところで、今日発表された6人の方に「ボランティアをやってほんとうによかった」という事例をお聞きしたいと思います。

阪上 子どもたちから挨拶が何倍にもなって返ってくることですね。

濱本 街で会って「あっ、ユッキーだ。こんなことやったね」と覚えていてくれる。うれしいです。

 初めはそっぽを向いていた子どもたちが、稽古を重ねるにつれてどんどん自分から興味を示してくる。やりがいを感じますね。

岡本 「暴力はだめ」と少年とともに学んだこと。それと、下の名前で呼ばれるとうれしいです。

梶谷 下の名前で呼ばれるのは愛情のバロメーターだという研究もあります。

山田理事長 ボランティアの裾野を広げるということで意見をいただければと思います。

阪上 先輩が自主的に立ち上げた見回り活動がサークルになりましたから、周囲の人に声をかけて人数を増やせば活動範囲も広がると思います。

濱本 広島県で少年補導協助員として委嘱する定員が増えればもっと大学生が参加できますね。

梶谷 ほかにご発言は。

小島 皆さんと居場所のない子どもたちとの活動に日本の希望のようなものを感じます。

富永 環太平洋大学次世代教育学部教授の小島先生です。ありがとうございました。また、初めてこの研修会に教育委員会の方が来てくださいました。石原様、ありがとうございました。

梶谷 さて、ここで、まとめさせていただきます。

第一点は学生ボランティアが全国に根づき始めていることを感じたということです。次は、発表の多様性です。自分たちで考えたさまざまなことをして活動の輪を広げていこうとしている。すると、「限界」も知る。そこで、支援や協力というものを明確化する必要があると思いました。

さらに、ボランティアは、子どもとともに、活動する人自身も育つ活動であり、学生の自己実現ということに寄与していると感じた次第です。

◆社安研・西中正明事務局上席次長の挨拶(要旨)

「許す。信じる。待つ」。福岡県の安永さんのお話は非常に感激しました。こうした感激を感激のままにせず、知識を知識のままにせず、実践によって智恵にしていただきたいと思っています。


▼平成19年度

全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道〜中部地方)

「身近な先輩」として模索する少年指導の道

地域学生ボランティア研修会

平成19年9月14日(金)、グランドアーク半蔵門にて、全国少年警察学生ボランティア研修会(北海道から中部地方まで)が開催され、北海道から中部地方まで24都道県、42大学の学生や教職員、警察関係者、全少協の各県会長など128名が参加しました。

初めに、警察庁生活安全局山口敏少年課長が「大学生ボランティアに期待する」として講演。スポーツなど大学生だからできる活動を通じて少年に接するボランティア活動が、将来、少年に関わる仕事に就く人にはもちろん、そうでない人にも「大きな糧」になると、大学生ボランティアに期待の言葉をかけました。続いて、「少年相談から見た非行の背景と立ち直り支援」として、警視庁生活安全部少年育成課少年相談担当の原俊明副主査が数多く相談に応じた経験からカウンセリング事例を挙げ、思春期の少年心情の特徴と非行の関係、問題を深く見つめる洞察力の大切さなどを、わかりやすく解説。最後に、相談は「真剣でなければならないこと」、相談で失敗しても、「子どもたちの心に種まきをしてあげればいい」とイメージして、さらに子どもと関わっていくと良いなど、少年相談で重要に感じた点を挙げて講演を結びました。

パネルディスカッションでは、6県をそれぞれ代表する大学生ボランティアが、文化女子大学現代文化学部の野口京子教授をコーディネーターとして、活動の現状と問題点などについて発表。大学教授らと「ボランティアを大学の単位として認めるかどうか」など、活動のサポートのあり方について意見を交わすなど、有意義な内容となりました。


▼平成18年度

全国少年警察学生ボランティア研修会

学生として、今何ができるか

少年警察ボランティアとして非行防止に携わる大学生にさらに活動をひろげてもらうための「全国少年警察学生ボランティア研修会」が平成18年9月1日、東京都・千代田区のグランドアーク半蔵門で開かれ、警察関係職員38人を含む149人が出席しました。

主催者を代表して宮本美沙子会長が挨拶した後、警察庁生活安全局の山口敏・少年課長が「大学生ボランティアに期待する」というテーマで、政府の全省庁が取り組んでいる「地域の子どもは地域で守る」運動について紹介。続いて警視庁少年育成課の石橋昭良氏が「思春期の子どもの理解と対応」について講演しました。

パネルディスカッションでは、文化女子大現代文化部教授であり全少協理事でもある野口京子氏をコーディネーターとして「少年警察ボランティアに参加する意義―――学生として、今何ができるか」をテーマに、少年補導などに活動中の全国5大学からの学生たちがパネリストとして、現状報告と活動で得たこと、問題点について報告しました。


▼平成17年度

地域学生ボランティア研修会

大学生ボランティアの若き力が結集!

地域学生ボランティア研修会

少年警察のボランティア活動を行っている大学生の「地域学生ボランティア研修会」が平成17年9月30日、宮城県仙台市で開かれ、はじめての開催となる今回、東北地方を中心に20大学から学生51人、大学関係者、警察関係者などを含め総勢84人が集まりました。

学生ボランティアの登録者は全国で約700人。全少協・山下力理事長は主催者挨拶で「補導対象の少年たちと仲間のような立場である学生の協力はありがたい。子どもたちへの適切な助言を期待する」と激励。

警察庁生活安全局少年課長・大木高仁氏の「大学生ボランティアに期待する」、文化女子大学教授で全国少年補導員協会理事の野口京子氏による「大学生として少年警察ボランティアに参加する意義」の講演に続いて、東北工業大学・佐々木晴香さんと斎藤美和子さん二人による“ポラリス宮城”や目白大学大学院・渡邉美幸さんらが埼玉県で行っている“ピアーズ”の学生ボランティア活動の報告が行われました。

意見交換では「大学生ボランティアとして、今、何をなすべきか」と題し、活発な意見が交わされ、初めての学生ボランティア研修会は修了しました。


▼平成16年度

大学生ボランティアの街頭補導を体験実習

2人はホームページで知り参加を希望

警視庁立川少年センターで

大学生ボランティアを体験する実習が平成16年11月17日夕刻、東京・立川市のJR立川駅周辺で実施され、文化女子大学9人、お茶の水女子大学、大正大学各1人の学生計11人が参加しました。この試みはこれまでに3回、文化女子大学の学生が実施していますが、他大学の学生が参加したのは初めてです。

お茶の水、大正両大学の学生はいずれも全少協のホームページで大学生ボランティアの活動を知り、体験してみたいと参加を申し出たものです。

学生たちはまず警視庁立川少年センターで、最近の少年非行状況や青少年に有害な環境の実態、東京都の青少年健全育成条例について学び、さらに所内を見学して薬物乱用の怖さなども認識した後、街頭補導に出かけました。

街頭では、少年補導員や同センター職員に同行、駅周辺のゲームセンターなどを中心に、少年への声かけを見守ったのですが、ゲームセンターにいた小学生3人がみんな携帯電話を持っていたり、女子高校生が補導されることに慣れた態度だったことにおどろいたようです。

学生たちは体験後のレポートで「小さなサインしかだせない子もいる。見落とさないよう、よく話を聞いてあげることが大事だと思った」「大学で専攻している健康心理学を活用して非行を防止するには、地域住民と子どもが交流できる場を設けることが必要」「ゲームセンターは午後6時以降、16歳以下は立ち入りしてはいけないのだが、小学生や外国人の子どもに周知されているのか疑問。ゲームセンターはこうしたことが周知できるよう工夫する必要がある」などの感想・提言を記述していました。


▼平成14年度

大学生ボランティアが補導実習

現場を知って「また参加したい」

少年警察ボランティア活性化事業の一つ「大学生ボランティアの街頭補導体験実習」が、平成14年8月9日・22日、12月16日の3回、東京郊外のJR立川駅周辺で実施されました。

参加した学生は文化女子大学健康心理学科3年在学中の学生で、同大学文学部野口京子教授(全少協理事)の協力で実現したものです。

平成14年は試行実施ということで、何人の学生が参加するかは定かではありませんでしたが、野口教授の熱心な学生への指導もあり、多くの希望者が集り、毎回約10名が2班に分かれて補導体験実習に参加しました。スケジュールはまず、警視庁立川少年センターで、職員から約30分のレクチャーを受けた後、同センター職員、少年指導委員、少年補導員、所轄警察署の警察官の皆さんと共に、駅周辺のゲームセンターを中心に補導実習を行いました。

午後6時半から約2時間という短い時間でしたが、「現場に立つと、本で得た知識はまったくといっていいほど役に立たないことを実感した」、「補導員の方たちの忍耐力、ねばり強さに感心した」といった実感をはじめ、「今後、自分たちがいろいろできることがあると思う」、「また機会があればぜひ参加したい」といった積極的な意見もあり、大変好評でした。


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